人は戦争を裁けるのかニュールンベルグ裁判後編

ニュールンベルグ裁判後編

死刑を宣告されたのは

ポーランド人やユダヤ人や

反政府的な人たちです。

検察側は

ドイツ国全体で

無数にあった強制収容所を指摘し、連合軍がナチスの残虐な行為の後処理にあたり

ナチスのした行為をカメラに収めた映像を映し出した。

さて、

先ほど書きました

起訴状における最も重要な案件は、断種法とホフマン事件である。

被告たちが下した

この二つの裁判によって、

刑を執行された2人が

検察側の証人となるのだが。

断種法とはつまり

ドイツ国において

ナチスの権力掌握後、民族の血を純粋に保つというナチズム思想に基づいて、遺伝病や精神病などの

民族の血を劣化させる

劣等分子を排除するという考えから

結果、ナチス政権はその正当性を強調し、

1933年7月14日には

遺伝病根絶法が

制定され、断種が法制化された。

本人の意思を伴わない不妊手術ーーすなわち強制不妊手術を法制化ということですね。

1939年から1941年8月までに、約7万人の障害者が生きるに値しない生命として、抹殺された。

で、その犠牲者である証人としてルドルフペーターゼン

モンゴメリークリフトが

召喚される。

ホフマン事件とは

16歳の少女イレーネホフマン

今はもう大人でジュディガーランド

居住していたアパートの大家の男性と関係したとして、無罪の2人を

即刻、大家は死刑、少女は2年の投獄という判決に

現被告人が判決を下した事件であるが

アーリア人以外の他民族と性的な関係を持ってはならないというところからの罪らしいが、捏造された罪であった。

検察側、弁護側、はたまた

判事の見解が、後半

論じられるわけだが、その間

ヘイウッド判事はひょんなことから、ベルトフォルト夫人デートリッヒを紹介され、食事を共にしたり、

アメリカに亡命していたピアニストの演奏会に招かれたりと何度かデートをする。

それはヘイウッド判事の

ドイツ人気質ドイツ文化を

知りたいという気持ちを少し超えていたかもしれない。

ベルトフォルト夫人は夫が絞首刑になったとはいえ、

毅然とした振る舞い、

高潔な女性で

純朴なこの判事にある

期待を持って観察していた節もある。

さて、検察、弁護側、

判事の思いはどこに向いて行くか、弁の立つハンス弁護人は

法に携わった尊敬するヤニングを何が何でも無罪にしようとする。沈黙を守っていた

ヤニングはそれを覆すように

自分の罪を認める。

大量虐殺も知っていたと。

そして他3人の罪も暴く。

認めて乗り越えてしか

ドイツの復興はないと。

他の3人はおおまかには

ナチスの正義に従ったまでで無罪だと主張。ヤニングに向け

裏切り者!と叫ぶが。

ヤニングのようなすばらしい

法律家がどこでどう間違ったのか?が知りたいところ。

検察側は

真実を明らかにしたい。

ヤニングの教え子である弁護人ロルフは

ヤニングを利用して

ドイツの立場を少しでも

正当化しようと熱弁を振るう。が、恩師ヤニングの高潔さにはるか及ばない人物。

さて、朴訥なヘイウッド判事の

判決は厳しい内容であった。

その前にヘイウッド判事は述べた。

単純なる殺人や残虐行為が起訴状の要点ではない。

要点は被告人たちが自発的に残虐で不正に満ちた体制に自ら関与したことです。

文明国ならば道徳と法に違背している行為です。

裁判所は記録を入念に精査した結果合理的疑いの余地なく

有罪を裏付ける証拠を多数

発見ました

検察、弁護側と

法廷内はざわめいた。

ベルトフォルト夫人もいた。

ヘイウッド判事は続けた。

弁護人は巧みな弁論でこう主張しました。被告人の他に最終的な責任を負わねばならぬ者がいると。それは真実です。この裁きの場で最も嘆いているのは文明でしょう。だが被告人たちに

責任は存すると当法廷は考えます。黒い法服をみにまとい

人びとを裁いた者

人間を絶滅させるための法や

命令の制定に関与した者

法を執行する地位にいて国内法から見ても違法な法の施行に積極的に参加した者

刑法の原則とはどの文明社会でも共通しています。

殺人を行わせたる者

犯罪を目的としてその凶器を

供給したる者犯罪を幇助ほうじょしたる者すべて

有罪

という原則です。

弁護人はこうも主張した。

被告人ヤニングは卓越した法律家で国益を考え、行動したと。これも真実です。まさしくヤニングは悲劇的な人物です自らの行為を憎んだでしょう苦しみは同情に値するが

彼が関与した大量虐殺を

許すことはできません。

彼の経歴と運命が

強烈な事実を表しています

もし被告人全員が堕落した

倒錯者で第三帝国の指導者たちが残虐を好む怪物ならば

道徳的意味など問う必要はない

だが分かったことは

国家の危機の際には誰もが

どんなに卓越した人でも

想像を絶する犯罪を犯してもいいと信じ込んでしまうことでした。それを忘れてはならない

政治的信条からの断種命令

友情や信頼に対する嘲笑

子供の処刑

それらがたやすく行われた

アメリカにおいても

自衛や生存を語る人たちがいるどの国でも決断を求められるまさに敵の脅威が迫った時にはそして生き残るため

敵の手段をまねご都合主義をこじつけあとは無視する

そういう者に言いたい

何のための生存かと。

国家とは一枚岩でも個人の

延長でもない国家が危機に

陥った時必ず必要なものがある

世界中の人に記憶してもらいたい

この法廷が必要だと思うのは

正義であり真実そして

人間の命の重さです

固唾を飲んで判事を見つめる

ローソン検事

被告人エミールハーン

被告人フリードリヒホフステター

被告人ェルナーランぺ

被告人エルンストヤニング

全員終身刑とする

ベルトフォルト夫人は涙を浮かべていた。

そして

一人の判事が付け加えた。

国益のためだとする被告人たちの行為はこの法廷内だけでは裁けない将来歴史の真相が明らかになったとき

裁くべきものでしょう

帰国を前にヘイウッドはベルトフォルト夫人に電話を入れたが

夫人は電話機を見つめたまま出なかった。

そしてヤニングがヘイウッド判事に会いたいと

ロルフ弁護人がやって来た。

あの被告人たちは5年後には

釈放されますよ!と笑いながら言った。

ヘイウッドは

法廷での君の働きは見事だった君の予想も当たるかもしれんだが現代では論理的だとしても常に正しいとは限らんと切り返した。ロルフの顔から笑いが消えた。

面会したヤニングは渡したいものとして

自分が担当した裁判記録を差し出した。ヘイウッドは大事にしますと。

ヤニングはヘイウッド判事に

判決は批判され支持はすくないでしょうだが少なくとも私はあなたの判決を尊敬していますと

裁判を称賛した。

ヘイウッドもあなたの陳述も素晴らしかっと感謝を述べた。

ヤニングは実は

お呼びした理由は

あの殺された何百万の人たちのことは本当は知らなかったのですそれだけは信じてくださいと苦渋の顔で語った。

ヘイウッド判事は言った

ヤニングさん

あなたが無実と知りつつ

死刑にしたのが始まりですよ

淡とした面持ちで答えた

ヘイウッドに

ヤニングはハッとしたように唇を震わせていた。

アメリカの片田舎の判事は

世界中に名声を馳せた法律家に一歩も引けを取らない

名判事でした。

人は戦争を裁くことができるのか?

人が人を裁くことができるのだろうか?

しかし、

起きてしまった戦争、

起こした裁判を今また

研究することは

戦争のない世の中にするためには大事なことですよね。

善悪よりも真実を知ることが

大事だと思いました。

マクシミリアンシェルは

1961年度アカデミー賞の最優秀主演男優賞を獲得

スタンリークレイマー監督の

骨太な、しかもエンターテイメント性のある作品です。

作品賞はウエストサイド物語に持っていかれましたね。

日本のキネマ旬報ベストテンでは第2位に位置しています。

二夜に渡る長きつたないレビューを

読んで頂いてありがとうございました。